#04 ダンスで権利を持つことを真剣に考えてみる

2019/07/21

#04 ダンスで権利を持つことを真剣に考えてみる

その昔、歌うアーティストとダンサーは同じ位置にいたんじゃないでしょうか?

どちらも現場主義でプロップスをどれだけ得るか、ファンがついてくるか、それが中心です。歌という作品をRECできレコード、テープ、CD、データなど流通で販売できる媒体が出てきたことでメイクマネーできるという仕組みを音楽業界がつくり上げました。一方ダンサーの方は、自分たちの権利を持った曲で、そのビデオが売られるというようなことにはなりませんでした。そのことによってダンサーには印税という仕組みは生まれませんでした。

音楽業界では作詞作曲家には印税が支払われますが、振付師及びダンサーには印税はありません。例えばツアーでずっと使われる振付やPV、そして参加したツアーのDVDに関してなどは、振付や出演として、使用される度に印税が落ちる仕組みになっていませんでした。ただ時代が移り変わり昨今CDはグッズとなり、たとえそんなに売れなくともライブの動員を増やしていくという体制をとるアーティストが増えてきました。音楽アーティストのCDが売れなくなってきてリアルな場所によるライブがメインになってきました。自分の作品として出せる成果物を担っていたCDが収入のメインであり音楽業界の中においても存在感を示していたのですが、その業態が大きく変わってきたのです。

アーティストもダンサーもフォロワー次第という話は変わりませんが、アーティストは未だ自身の音楽の権利を持っています。ダンサーのほとんどは未だに自身の権利は持っていません。他人の権利物を無断で使用して動画サイトなどにアップしています。まだ法整備も行き届いていないので難しい部分でもありますが、元々ダンサーは踊りたい曲で踊りたい性質です。ダンスシーンも自らダンサーの権利を守る為に時代とともに進化をしていきたいと思います。

僕は今後の生き方として『ダンサー自らの権利を持つ』ということを働きかけたいと思っています。それがダンサーとしてのネクストの形だと確信しているからです。その形の一つにはシンガー、ラッパー、DJ、他の業界との融合が当たり前になると考えています。ダンサーが自身の権利を持つ為にまず必要なことは、”その意思を意識して持つこと”からだと思います。長らくダンサーは他人がつくった音楽で踊ることが主流でしたアーティストとダンサーは音楽との関わり方で『権利』という部分では、袂を分かち、歌い手は主役、ダンサーはサポート側にいつしかなっていきました。それは音楽業界という業界が大きくなればなるほど差が広がっていきます。しかし時代は変わり、ダンサーも権利をいよいよ主張できるタイミングが来たと僕は思っています。

IT革命により誰もが気軽に世界中にアクセスができ、自身のことを世界中に発信できるのです。そんな中でダンサーもSNSを使い自己表現をし始めています。海外に多くのフォロワーをつくることに成功するダンサーも出てきました。いよいよその次のフェーズは、その発信するものすべてが自分の権利となることに意識を向けることが重要になってきます。

音楽をつくる仲間とともにダンサーが自分の踊りを自分の権利とする為には、まず音楽の権利を持つ必要があります。まずは音楽をつくれる人を仲間に入れましょう。音楽をつくると言ってもそれはいろいろあるので一概には言えませんが、重要なのは自分のダンスを表現できる音をつくれる人と結託をするということです。この流れをダンス界において当然の流れとしたいのが僕の今回の主張になります。ダンサーが踊ることに本気ならば、自身が踊る音楽に対しても本気に向き合い権利を主張できるような シーンになれたらと思います。そしてたとえ音楽をつくれる仲間を探せなくても、音楽を自由に選んで使える時代にしたいと思っています。

『自分のつくる曲、自分の権利物をどこの範囲まで認めどこを管理するのか』権利を管理会社に委託するのではなく、自身でどのようにするかを考えていく時代に突入すると考えています。もっとオープンに、そしてもっとユーザーが喜ぶカタチで、権利者とユーザーの距離が近くなるプラットフォームが形成されていくべきなのではと考えています。双方が利用規定を知った上で、堂々と使い合う時代へ。グレーゾーンではなく、オープンで権利を主張でき、また利益も生み出せる。そんな未来を創り出していきたいと思います。